高齢者の“眠る場所”は安全ですか?
年齢を重ねると、夜間のトイレや寝返りの際に転倒するリスクが高まります。
とくに寝室は、暗さ・狭さ・物の多さなどが重なりやすく、思わぬ事故が起きがちです。
「ただ寝るだけの部屋だから」と油断せず、安全な寝室づくりを始めてみませんか?
危険を減らすためにできる寝室整備のポイント
- ベッドの高さを見直す
→ ベッドが高すぎて足が届かない、低すぎて立ち上がるのが大変…という声はとても多いです。
**膝が約90度に曲がる高さ(40~45cm前後)**を目安に、無理なく立ち座りできる高さを探しましょう。
また、布団派の方は「立ち上がり補助手すり」を設置するのもおすすめです。 - 床には何も置かない
→ スリッパを脱ぎっぱなしにしていたり、読んだ本や新聞をそのまま床に置いていたり…ということはありませんか?
コード類や延長タップ、電気毛布のコードも要注意です。
「つまずくものは一切床に置かない」が大原則です。 - 足元マットや滑り止めを活用
→ フローリングは意外と滑りやすく、布団から立ち上がるときに足がずるっと滑る事故もあります。
滑り止め付きのマット、クッション性のあるカーペットで足裏センサーを補う環境を整えましょう。 - 夜間照明を設置する
→ 夜中にトイレに起きるとき、真っ暗な中で手探りで歩くのは非常に危険です。
人感センサー付きのライトや、足元を照らすLEDバーを設置するだけでも、安心感が違います。
電池式・USB充電式なら、工事不要で設置も簡単です。 - 手の届く位置に必要な物を置く
→ ベッドサイドにメガネ・ティッシュ・水・スマホやベルがあるだけで、無理に立ち上がる必要がなくなります。
転倒リスクを減らすためにも、「立ち上がる回数を減らす配置」がカギです。
収納ボックスの上など、高さの合う台を活用すると便利です。
家族にできる3つのサポート
- 環境チェックを一緒に行う
→ 「ちょっと座ってみて」「この高さどう?」と声をかけながら確認を。
本人が気づいていない小さな不便や危険にも、家族の目なら気づけます。 - モノを減らす提案をする
→ いきなり「捨てて」と言うと反発されることも。
「一時的に避けてみよう」「この季節じゃないから、しまっておこうか」など、“保留”の提案が効果的です。 - 使いやすい道具の選定を手伝う
→ 「ベッド手すりってこんなのあるよ」「このライト、電池式で簡単だよ」など、選ぶ楽しさを共有することが大切。
カタログやネット通販で一緒に見ながら選ぶと、導入のハードルも下がります。
安心できる寝室が、健やかな眠りを生み出す
寝室は、1日の疲れを癒す場所。だからこそ、安心して使えることが健康の基盤になります。
ご高齢の親が「何も問題ないよ」と言っていても、
環境を見直すことで、「前よりよく眠れるようになった」「安心感がある」と笑顔になることも多いです。
今できる整備から、ぜひ始めてみてください。
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