はじめに|“もの”よりも“安心”を贈るという考え方
誕生日や父の日・母の日、あるいは何でもない時。
離れて暮らす親に何かしてあげたいと思うこと、ありませんか?
私自身、これまで多くの高齢者の転倒・骨折後のリハビリを経験してきましたが、
ご本人やご家族から「もっと早く住まいを手直ししておけばよかった…」という声を何度も聞いてきました。
高齢者が住まいを変えない理由は“無関心”ではない
「親は住宅環境なんて気にしていない」
「何を言っても“今のままでいい”って言う」
そう思われがちですが、実際にはこういう声が多いのです:
- 「どう変えたらいいか、もうわからない」
- 「どこに頼めばいいのかわからない」
- 「誰にも迷惑をかけたくない」
- 「お金がかかりそうで不安」
つまり、“変えたくない”のではなく、変える方法がわからない・決断できないだけというケースがほとんどです。
現実に起きていること|転んでから後悔する人が多い
私は何人もの患者さんから、こう聞いてきました。
「ここでつまずくことは前からあったけど、なんとかやれてたから…」
「手すりをつけようと思ってたけど、まだ元気だしって思ってた」
「今さら頼みにくくてね…」
でも、転倒して骨折したあとは、以前のように歩けなくなる方も少なくありません。
「ちょっとでも早く環境を整えていれば」という後悔は、ご本人だけでなく家族も抱えることになります。
“住環境の手直し”は最高のプレゼントになる
✅ 手すりをつける
✅ 段差をなくす・スロープをつける
✅ 滑り止めのマットを敷く
✅ 廊下や階段に照明を足す
✅ 脱衣所に椅子を置く
✅ コード類や敷物を整理する
これらはすべて、大がかりなリフォームではなく、「ちょっとした気づかい」で変えられることばかりです。
「物を贈るよりも、“これからも安全に暮らせる環境”を贈る」
後押しをするというプレゼント、素敵だと思いませんか?
離れているからこそ、できるサポートがある
- 帰省時に一緒に住まいを点検する
- 工務店や福祉用具の業者に“事前調査だけ”でもお願いする
- 小さな改善(マットやコードの整理など)を提案してみる
親世代の多くは、自分から「手すりつけて」なんて言いづらいものです。
だからこそ、離れている家族からの一言が、安心への第一歩になります。
まとめ|“将来を守るプレゼント”を、今
転倒は一瞬で起きてしまいます。
だからこそ、“今はまだ何とかできている”このタイミングこそが整えるチャンス。
何を贈るか迷ったら、
**「これからも安心して暮らせる住まい」**を後押しするというプレゼントを贈ってみてはいかがでしょうか?
それはきっと、これからの人生でいちばん価値のある贈り物になるかもしれません。
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