「とりあえずこれでいいかな?」その靴、本当に大丈夫?
入院時の準備でよくあるのが、「とりあえず家にある靴を持って行こう」「脱ぎ履きしやすいからこれでいいよね」という“靴選びの迷い”。
でも、靴はリハビリや病室内での移動に深く関わる大事な道具です。
選び方を間違えると、転倒リスクを高めてしまったり、せっかくのリハビリが進みにくくなってしまうこともあるんです。
【あるある①】クロックス・サンダル系の靴
見た目も楽そうでつい選びがち。でも、実はリハビリ現場では「もっとも避けたい靴」のひとつです。
✅ 滑りやすい素材で、特に病院の床ではツルッといきやすい
✅ 足の甲やかかとのホールドが弱く、つっかかって転びやすい
✅ 軽すぎて安定感がなく、足が“ついてこない”こともある
入院中の方はバランス感覚や筋力が低下している場合が多く、見た目以上に危険なんです。
【あるある②】小学生用のバレーシューズ
「軽いし脱ぎ履きしやすいから」と、意外と多いのが子ども用のバレーシューズ。
確かに滑りにくくて悪くない面もありますが…
✅ 見た目が“子どもっぽく”て、本人が恥ずかしがって履かなくなるケースも
✅ クッション性がないため、長時間歩くと足裏が疲れる
本人の気持ちを尊重するのも、リハビリを進めるうえでは大切です。
【あるある③】家にあった昔の靴
「これでいいでしょ」と持ってこられがちなのが、家にあった古い運動靴。
でも、履いてみると…
✅ 靴底がすり減っていて滑りやすい
✅ ソールの硬化・ひび割れがある
✅ マジックテープやゴムが緩んでいて固定力がない
見た目は大丈夫でも、劣化しているケースはとても多いです。できれば事前にチェックしてから持ってきてください。
また、入院時に室内用のシューズ(スリッパやルームシューズ)を持ってこられる方もいらっしゃいます。
ダメではありませんが、リハビリなどでしっかりと歩くことを考えると、安定性に優れた屋外用のシューズがおすすめです。
室内用は柔らかすぎたり、かかとが浅かったりして不安定なものも多いため、転倒リスクが高まることがあります。
安全面を考えると、多少しっかりした屋外用の靴を院内用として使う方が安心です。
【あるある④】厚底・おしゃれ系シューズ
一見しっかりしてそうな厚底スニーカーや、デザイン重視の靴も注意が必要。
✅ 厚底は足裏の感覚が鈍くなるので、歩行時のバランスを崩しやすい
✅ 靴が重く、足を上げにくくなる
✅ 靴の“遊び”が多く、足が靴の中で動いてしまう
リハビリ中は「地面を感じやすい、薄底〜中底」くらいがちょうどいいことも多いんです。
正しい靴選びのポイントとは?
以下のような条件を満たしていると安心です。
🔸 滑りにくいソール(ゴム系・深めの溝あり)
🔸 面ファスナー(マジックテープ)などで調整ができる
🔸 かかとをしっかり覆うデザイン
🔸 足幅が合っている(むくみがある方は要注意)
🔸 軽すぎず重すぎず、歩行に安定感がある
【補足】「リハビリシューズ」ってどうなの?
病院内の売店で販売されている“リハビリシューズ”は、脱ぎ履きのしやすさでは優れていますが、
中にはクッション性がほとんどなくて疲れやすい商品もあります。
ただし、厚底靴よりは薄底の方がリスクは少ないので、
「家の靴が合わないかも…」というときには、リハビリシューズも十分選択肢になります。
【ポイント】足幅(ワイズ)も大事です!
むくみや浮腫みがある方には、5E〜9Eといった幅広タイプの靴が必要なことも。
一般的なスニーカーはせいぜい3E〜4E程度なので、サイズだけでなく足幅もしっかり見て選びましょう。
実は「屋外用の靴」が安心です
「屋内用シューズ」を入院用に持ってくる方もいますが、
実はリハビリをするなら屋外用の靴の方が安全で安定感があります。
屋内用はかかとが浅い・滑りやすい素材が多く、
歩行訓練には向いていないことも。
✅ 結論:入院には「かかとがしっかりしていて、滑りにくい靴」を選びましょう。
現場スタッフがすすめる安心の1足
入院時の靴に迷ったら、
リハビリ現場でよく使われている靴を選ぶのが安心です。
おすすめはこちらの2足:他記事でも紹介しております。
まとめ:靴ひとつで、入院生活の質は変わります
「ちょっとしたこと」と思われがちな靴選び。
でも実際は、その人の動きやすさ・安全性・リハビリの成果にまで影響します。
「これなら安心して動けそうだね」
そんな声が聞けたとき、ご家族の準備が本当に意味のあるものになります。
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