玄関での“ヒヤッ”とした瞬間、ありませんか?
- 段差につまずきそうになった
- 靴を履くときにフラついた
- 足元の不安定さにヒヤリとした
高齢者の生活において、こうした「玄関での不安定さ」は決して珍しいことではありません。
実際、転倒事故の多くが自宅の中の“玄関”や“段差”で起きていることをご存知でしょうか?
なぜ玄関が危ないのか?|年齢とともに起こる変化
高齢になると、私たちの体には次のような変化が起こりやすくなります。
- 足がしっかり上がらなくなる
- 片足立ちのバランスが不安定になる
- 靴の着脱時に腰をかがめる動作がつらくなる
玄関での「段差の上り下り」や「靴の履き替え」は、まさにこうした動作が重なる場所。
若いときには何ともなかった小さな段差も、**“つまずきポイント”**に変わってしまいます。
家族が気づける“小さなサイン”とは?
実は、転倒の前には「ちょっと気になる行動の変化」が見られることがあります。
たとえばこんな場面は要注意です:
- 靴を履くのに時間がかかるようになった
- 玄関で何かにつかまりたがる
- 立ち上がるときにふらつく
- ドアの段差で一瞬止まることが増えた
こうした“ちょっとした変化”を見逃さずに、先回りして工夫をすることが転倒予防の第一歩です。
転ばぬ先の「環境づくり」の考え方
転倒予防のために大切なのは、「無理に筋力をつけさせること」ではありません。
それよりも、「今の体の状態に合った環境」を整えることの方が効果的です。
具体的には、以下のようなステップが役立ちます:
1.まずは現状を観察する
→ 靴の履き方、立ち上がり方、段差の越え方を家族がさりげなく見てみましょう。
2.必要があれば“支え”を用意する
→ 玄関用の椅子や手すりなど、**「ちょっと安心できる工夫」**を加えるだけでも負担が減ります。
3.本人のペースに合わせて導入する
→ 無理に「こうしよう」と押しつけず、「一緒に使ってみる?」という対話がカギです。
✔ ちょっとした例:玄関用の椅子を置くだけでも変わる
靴の履き替えでふらつく方には、「座って靴を履ける椅子」を玄関に置くだけでも大きなサポートになります。
市販の介護用椅子だけでなく、安定感のあるベンチや背もたれ付きの椅子でも十分です。
ポイントは次の2つ:
- ぐらつかない安定性(軽すぎない・滑りにくい)
- 必要に応じて手すり付き or 背もたれ付き
家にあるものでも代用できるので、まずは**「その場で座れる場所があるか?」**という視点で見直してみましょう。
まとめ|「ちょっとした不安」を放置しない
高齢者が転倒してしまうと、その後の生活の質が大きく変わってしまうこともあります。
ですが、転ばないためにできる工夫は、ほんの少しの気づきと環境の調整で始められます。
「最近ちょっとバランス悪いかも?」と思ったら、
“転ぶ前の対策”として玄関まわりを見直してみませんか?
次回は、「靴の履き替えを手伝うときのコツや環境づくり」についてご紹介します。
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