靴をそろえるだけで、転倒が防げる?
高齢者の転倒リスクが高い場所のひとつに「玄関」があります。
特に、外出から帰ってきて靴を脱いだとき、または出かけるときに靴の向きを変える動作でバランスを崩すケースは、現場でもよく見かけます。
「靴をそろえる」――たったこれだけのことですが、
実は転倒リスクを減らすうえでとても効果的な工夫になるのです。
靴の向きを変えるときに起こりやすい転倒
玄関でよくあるのがこのような場面です。
- 帰宅後、靴を脱ぎっぱなしで向きがバラバラ
- 出かけるとき、しゃがんで靴の向きを変える
- 足で無理にぐりぐり回そうとしてふらつく
- 支えがなく片足立ちで不安定な姿勢になる
この一連の流れは、筋力やバランス感覚が低下した高齢者にとって転倒リスクが非常に高い動作です。
家族が「揃えてあげる」だけで変わること
家族や訪問者が玄関に靴を脱ぎっぱなしにするのではなく、
ちょっと向きを揃えておくだけでも、
次にその靴を履く人の安全につながります。
特に以下のような人がいるご家庭では、ぜひ意識してみてください。
- 一人暮らしのお年寄りがいる
- 要支援・要介護の方が家にいる
- 軽い認知症があり判断力が不安な家族がいる
どんな環境づくりが安全に役立つ?
靴を揃える習慣と合わせて、環境整備も一緒に行うと効果的です。
- 玄関に座って履ける椅子やベンチを置く
- 手すりや支えになる家具を配置する
- 滑りにくいマットや段差解消スロープを活用する
- 靴の整理ボックスを使って不要な靴を減らす
これらはすべて、**「立ったまま靴を履き替えようとする危険な動作」**を減らすためのサポートになります。
まとめ|小さな習慣が、大きな安心に変わる
靴を揃えるなんて当たり前――そう思っていても、
毎日慌ただしく過ごすなかでつい後回しになっていませんか?
高齢の家族がいる家庭では、
「当たり前」を「安全のための工夫」として再確認することが大切です。
ちょっとした心がけが、
転倒によるケガを防ぎ、“自分で動ける暮らし”を守る一歩になります。
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