夜間の転倒はなぜ起こる?
高齢者の方に多いのが、「夜中にちょっとトイレに行こうとして、転びそうになった」という声。
実際に、夜間の転倒事故は思っている以上に多く、骨折などの大きなけがにつながることもあります。
では、なぜ夜間の転倒が多いのでしょうか?
暗がりでも「見えているつもり」が落とし穴
多くの高齢者は、長年の生活環境に慣れていて、暗くても大丈夫と思い込んでしまいがちです。
しかし年齢とともに、目の感度や距離感の認識力は少しずつ落ちてきます。
「布団からベッドへ」「ベッドからトイレへ」といった小さな段差やコード類が視界に入らず、足を引っかける原因になるのです。
明るさより“安心感”をつくる照明配置
照明対策=まぶしい照明を置く、ということではありません。
暗くなりすぎない程度の優しい光を、足元や通路に配置することで、安心して動ける環境をつくれます。
おすすめは以下のような工夫です:
- 人感センサー付きの足元ライトをベッド下に設置
- コンセント式の廊下用LEDライトで通路をやさしく照らす
- 寝室とトイレの間に間接照明やナイトライトを点在させる
こうした工夫だけでも、夜間の不安はぐっと軽減されます。
家族ができる「照明サポート」
「転ぶ前に」整えておくのが最善です。
家族が高齢の親にできる照明サポートは、難しいことではありません。
- 人感センサーライトをプレゼントとして贈る
- 一緒にベッド下や廊下に設置してあげる
- 明るさの調整やスイッチの確認を一緒に行う
機械に不慣れな高齢者でも、家族と一緒なら“設置してくれるなら使うよ”と受け入れやすくなります。
まとめ|照明は安心の「道しるべ」
転倒リスクを減らすには、行動の導線に光を添えてあげることがとても大切です。
とくに夜間は、本人が思っているよりも見えていないもの。
「見えているつもり」の危険性に早めに気づき、照明を整えることは、安心を贈る行動です。
次回は【寝室の環境をどう整えるか】についても深掘りしていきます。
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