「水分はとってるはずなのに…」高齢者の熱中症リスクには“水分の種類”が大きく関係しています。緑茶やコーヒーに頼った水分補給の落とし穴や、熱中症の血液データの変化、ナトリウム不足を防ぐ食事の工夫まで、わかりやすく解説します。
水分をとっているつもりでも、熱中症になる理由とは?
「お茶はたくさん飲んでるんだけどね…」
そうおっしゃる方が、熱中症で倒れてしまうケースを、私は現場で何度も見てきました。
実は、水分の「量」だけでなく、「種類」や「タイミング」も非常に大切です。
特に高齢者では、緑茶やコーヒーなどのカフェインを含む飲み物ばかりを飲んでいる人が多く、水分補給が不十分になりがちです。
カフェイン入り飲料はなぜ危険?
緑茶やコーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があります。
つまり、飲んだ量よりも体から出ていく水分が多くなってしまうのです。
また、味があるぶん安心してたくさん飲んでしまいがちですが、「脱水予防」の観点では純粋な水や麦茶に比べて効果が劣ります。
実際にどれくらい水分が足りないの?
厚生労働省によると、高齢者は1日あたり約1.5L〜2Lの水分補給が推奨されています(※食事を含まず)。
ところが、実際には1日1Lにも満たない方が多く、しかもそれが緑茶やコーヒー中心となると、体にしっかり吸収される水分はごくわずかです。
熱中症で見られる血液データの異常とは?
熱中症が疑われると、病院では以下のような血液の変化がよく見られます:
- ナトリウム(Na)低下:汗とともにナトリウムが排出され、補給が追いつかないと低ナトリウム血症に。
- カリウム(K)低下:筋肉のけいれんや倦怠感の原因に。
- BUNやクレアチニン上昇:脱水による腎機能への負担が反映。
これらは点滴や補液で改善するケースもありますが、日常的な水分と塩分の摂り方が予防のカギとなります。
水分補給とあわせて摂りたい食べ物は?
水分だけでなく、電解質(塩分)やミネラルの補給も重要です。以下のような食事がおすすめです。
- 具だくさんのお味噌汁(水分・塩分・カリウム補給に)
- 漬物や梅干し(食べ過ぎ注意ですが、塩分補給には◎)
- 果物(スイカ・バナナなど):水分+ミネラル
- 経口補水液やスポーツドリンク(薄めて):ナトリウム補給に有効
「こまめな水分補給」とは、どれくらい?
一度にたくさん飲んでも吸収されず、尿として出てしまうことが多いです。
- 起床時
- 食事中・食後
- 入浴の前後
- 寝る前
このように1日8〜10回に分けて、コップ1杯ずつを意識するのが理想的です。
まとめ|「何を飲むか」も大切に
高齢者の熱中症は、自覚のない水分不足と血液中の電解質低下が大きな要因です。
緑茶やコーヒーが習慣になっている方ほど、意識して“水”や“麦茶”に切り替えることが大切です。
毎日の食事と飲み物を少し見直すだけで、体の中の環境は大きく変わります。
こまめな水分補給を習慣化したい方におすすめ
「つい水分補給を忘れてしまう…」という方には、タイムマーカー付きのボトルが便利です。
1時間ごとの目安がボトルに記されているので、時間を意識しながら無理なく水分を摂る習慣がつきやすくなります。
ご家族が親の水分量の目安にしたい時も便利です。
デスクワークの方や高齢の方へのプレゼントとしても人気です。
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