杖について、現場でよく見た「あるある」
杖でよく見たのは、観光地で買った木製の杖や、高さの合わない安価な杖をずっと使い続けているケースです。杖先のゴムがすり減り切っている方も多く、「あれは交換できる消耗品」だと知らない方がほとんどでした。ゴムがすり減った杖は、滑り止めのないタイヤと同じです。
「杖は年寄りくさい」と拒否する方には、「行動範囲を広げるためのお守り」という伝え方をしていました。もう1つのコツは、置き場所を本人の動線上に決めてあげること。置き場がない杖は使われずに玄関で眠ります。
歩けるけれど外出には苦労がある
要介護1の方は自力で歩けることが多く、日常生活もある程度はこなせます。
しかし、外出となると「玄関の靴の履き替え」「段差」「移動時のふらつき」など、ちょっとした動作で介助が必要になることがあります。
「歩けるのに、外に出るときは意外と手がかかる」
これが家族にとって大きな負担に感じる場面でもあります。
実際によくある外出時の困りごと
- 玄関で靴を履くのに時間がかかり、介助者が腰をかがめ続けて疲れる
- 小さな段差やスロープでふらつき、思わず支えることが多い
- 荷物を持ちながら手を貸すため、介助者もバランスを崩しやすい
- 外出先の時間に追われ、介助者が焦ってしまい危険につながる
外出サポートの工夫
1. 安全な移動動線を整える
玄関や出入り口の段差をなくす、靴を履く場所を整えるなど、出発前の環境を工夫するだけで負担は大きく減ります。
2. 腰に負担をかけない支え方
無理に持ち上げるのではなく、横で並んで支える姿勢を意識することが大切です。
3. 時間の余裕をしっかり持つ
外出で一番大切なのは「時間の余裕」です。
予定ぎりぎりに出ようとすると、介助者が焦り、無理な動作や声かけで危険につながります。
私自身も「予約に遅れるから早く!」と急がせたことで、利用者さんが不安定になりヒヤッとした経験があります。
余裕がありすぎるくらいの時間設定で予定を組むことが、本人にも介助者にも安心をもたらします。
外出を助けるおすすめアイテム
🦯 T字杖(基本のサポート用)
歩行に不安がある方に安心感を与えてくれるアイテム。ちょっとした段差や坂道で支えになります。
病院でよくおすすめしていた杖です。
🦯 多脚杖(安定性を優先する場合)
フラつきやすい方には多脚タイプがより安定します。屋外での安全性を重視する方におすすめ。
👟 ロング靴べら
玄関で靴を履くときに腰をかがまずに済むため、介助者の負担を減らせます。
🏠 段差スロープ
玄関や外出先での小さな段差につまずきを防ぎます。外出の最初と最後を安心に。
🛒 シルバーカー(補助ではなく荷物運搬+休憩用として)
要介護1では歩行補助としては使わず、荷物運搬や休憩スペースとして活用できます。
用途によってかなりサイズ感が変わるものではありますが、大きさはありますが下記の商品が安定性があっておすすめです。
まとめ
要介護1の方は歩けるけれど、外出には思わぬ苦労がつきものです。
- 移動動線を整える
- 腰に負担をかけない支え方を意識する
- 余裕を持った時間設定で予定を組む
これらの工夫だけで、外出が安全でラクになります。
さらに杖やロング靴べら、段差スロープといったアイテムを取り入れることで、本人の自立度を守りつつ、家族の負担も軽減できます。
「外出は大変だから」と諦める前に、ちょっとした工夫とアイテムを取り入れてみてください。
在宅での工夫に限界を感じたら、それは情報収集のタイミングです
要介護1の今は、工夫しだいで外出も在宅生活も続けられます。ただ、介護度が進んでからあわてて施設を探すと、選択肢が少ない中で決めることになります。私が病院で見てきたご家族も、「元気なうちに資料だけでも見ておけばよかった」と話す方が多くいました。
入居を決めるためではなく、「近所にどんな施設があって、いくらかかるのか」を知っておくための資料請求なら、今の段階でも意味があります。
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夏の外出には、首元を冷やす道具を1つ持たせてあげてください。首まわりは太い血管が通っているため、ここを冷やすと効率よく体の熱を下げられます。デイの送迎待ちや通院の道中に向いています。
よくある質問
Q. 外出のとき、介護タクシーは使えますか?
要介護1でも、ケアプランに位置づければ通院などで使える場合があります(通院等乗降介助)。買い物や趣味の外出は対象外のことが多いなど条件があるので、使いたい場面を具体的にケアマネジャーに伝えて相談してください。
Q. 杖と歩行器、どちらがいいか分かりません
目安は「片手の支えで足りるか」です。杖で体が傾く・ふらつくなら、両手で支えられる歩行器やシルバーカーの段階です。福祉用具のレンタルなら実際に試してから決められるので、迷ったら試乗をおすすめします。
Q. 本人が外出をおっくうがるようになりました
転びかけた経験などで自信をなくしているサインかもしれません。いきなり遠出ではなく、「ポストまで」「隣のコンビニまで」という数分の外出から成功体験を積み直すのが遠回りに見えて近道です。

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