はじめに｜「そんな段差で？」という場所が意外と危険
「敷居をまたごうとしたらつまずいた」
「カーペットの端が浮いていて足が引っかかった」
転倒は、**ほんの数センチの“わずかな段差”**でも簡単に起きてしまいます。
特に高齢になると、体の動きや感覚の変化によって、小さな段差が大きな障害になることがあります。
今回は、家の中にある“つまずきポイント”に気づくためのチェックポイントをまとめました。
1｜段差に足がひっかかるのはなぜ？
高齢になると、次のような変化が起こりやすくなります：
- 足の筋力が落ちて、しっかり上げられない
- つま先を上げる動き（背屈）が弱くなる
- 歩幅が狭く、足の運びに余裕がなくなる
その結果、「足を上げているつもり」でも、わずかな段差に引っかかってしまうことがあるのです。
2｜見えにくい段差は、認識そのものが遅れる
次のような“視認しづらい段差”は、注意が必要です。
- 敷居やカーペットの端が床と同系色で見えにくい
- 部屋と廊下の境目にある5mm〜2cmの段差
- 和室の畳と洋室の床の切り替え部分
視力や空間認知が落ちると、距離感や高さの把握が難しくなり、思わぬところで転倒してしまうこともあります。
3｜マット・カーペットの“浮き・ズレ”にも注意
段差ではなくても、マットやカーペットの端の浮き・ズレも転倒リスクになります。
- スリッパの先がひっかかる
- めくれた端を踏んでバランスを崩す
- フチが波打っているマットに足を取られる
とくに歩行が不安定な高齢者の場合、こうしたわずかな「引っかかり」が大きな事故に繋がることがあります。
4｜歩くときの姿勢や目線の変化も関係する
年齢とともに、歩く姿勢や目線の位置にも変化が見られます。
- 背中が丸くなり、視線が下向きになる
- 足元ばかりを見て、前方の段差に気づきにくい
- 注意力が散漫で「段差がある」と認識できない
結果的に、「わかっていたはずの段差」でも、つまずいてしまうことがあるのです。
まとめ｜家の中に“つまずきポイント”はありませんか？
室内の段差やマットの端は、「ちょっとした不便」程度に思われがちですが、
✅ 足が上がりにくくなっている
✅ 見えづらくなっている
✅ 注意力が落ちている
といった要因が重なると、転倒のきっかけになってしまいます。
まずは自宅の中を歩きながら、
「ここ、引っかかりそうだな」という場所を家族で一緒にチェックしてみましょう。
次回予告｜注意力や判断力が落ちると転倒につながる？
次回は、「気づかないうちに転んでしまう」リスク、
つまり注意力・判断力の低下と転倒の関係について詳しく解説していきます。
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