高齢者が水分をとらない理由には「トイレが近くなる」などの不安が潜んでいます。この記事では、その心理的背景や健康リスク、家族ができる対策を詳しく解説。安心して水分補給できる環境づくりのヒントが見つかります。
【1】高齢者の“水分控え”は意外と多いあるある
「水分をとるとトイレが近くなるから…」
そんな理由で、お茶の時間を控えたり、水を飲む量をわざと減らしたりする高齢者は少なくありません。
実際に現場でも、「トイレが近いから、あまり飲まないようにしてる」と話される方がとても多い印象です。
しかし、水分を控えることで、熱中症だけでなく、尿路感染症や便秘、脱水によるふらつきなど、さまざまな健康リスクにつながることもあります。
【2】“トイレが心配”という気持ちの裏にあるもの
高齢者が水分を控える背景には、次のような不安があります。
- トイレに間に合わないかもしれない
- 夜間のトイレで転倒が心配
- トイレが遠くて面倒、体力的に不安
- 家族に迷惑をかけたくない
これは単なるわがままではなく、「失敗したら恥ずかしい」「負担をかけたくない」といった気遣いや不安の表れです。
だからこそ、責めずに“安心して飲める状況”を一緒に作っていくことが大切です。
【3】水分補給を促す工夫と環境づくり
では、どうすれば無理なく水分をとってもらえるでしょうか?
以下のような工夫が、実際に役立つことがあります。
- ✅ トイレの環境を整える
→ 夜間用照明、手すり設置、ポータブルトイレの導入などで「間に合わないかも」という不安を軽減 - ✅ こまめに少量ずつを意識する
→ 一気に飲まず、少しずつを複数回に分けて飲むスタイルが負担になりにくい - ✅ タイムマーカー付きボトルを活用する
→ 時間ごとに「飲む目安」が書かれたボトルで、飲み忘れ防止&目標達成のモチベーションに。 - ✅ 水分を含む食品を取り入れる
→ スープや果物、ゼリーなども立派な水分源になります
リンク
【4】“水分制限”が必要な場合もある?注意点について
一部の持病(例:心不全、腎臓病など)がある方は、水分摂取に制限が必要なケースもあります。
必ずかかりつけ医の指示に従いましょう。
そのうえで、“飲むことへの不安”に寄り添いながら、量・時間帯・形を工夫することが大切です。
【5】まとめ|水分補給は「自由に飲める安心感」から
高齢者が水分を控える理由には、体の問題だけでなく「不安」「遠慮」などの気持ちが大きく関係しています。
その不安を少しでも取り除くことで、水分補給の習慣は自然と変わっていきます。
家族としては「なんで飲まないの!」ではなく、
「どうしたら安心して飲めるかな?」と一緒に考える姿勢が、なによりのサポートになります🌿
コメント