はじめに|年齢とともに体はどう変わる?
高齢になると「なんとなく足が重くなった」「ふらつきやすくなった」と感じる方も多いのではないでしょうか?
それは、加齢に伴う身体機能の変化が関係しています。
転倒を防ぐには、この体の変化を正しく理解しておくことがとても重要です。
1|筋力の低下が招く「踏ん張れない」リスク
特に**太もも(大腿四頭筋)やお尻(殿筋群)**など、下半身の筋力は年齢とともに衰えやすくなります。
- つまずいたときに踏ん張れない
- 階段の上り下りで膝がガクッとする
- 立ち上がるときに手を使わないと難しい
こういった動作の不安定さは、転倒の前触れであることが少なくありません。
2|バランス機能の低下で「ふらつき」が起きる
年齢とともに、体を支えるバランス感覚も少しずつ鈍くなっていきます。
- 片足で立つのが難しくなる
- 方向転換や振り返りでよろける
- 歩行時に左右にふらつく
特に、視覚・内耳(平衡感覚)・足裏感覚の連携が弱くなることで、小さな段差でも対応が遅れ、転倒につながりやすくなります。
3|関節の硬さや柔軟性の低下も影響
関節の可動域が狭くなると、足がしっかりと前に出せなくなります。すると…
- 足を上げきれずに段差でつまずく
- 歩幅が狭くなり、歩行が不安定に
- 咄嗟に動こうとしても動きが遅れる
こうした関節の動きづらさも、転倒リスクを高める一因となります。
4|反応速度の低下で「とっさに手が出ない」
転びそうになったとき、若いころであれば反射的に手を出して体を守ることができます。
しかし高齢になると…
- とっさの反応が遅れる
- 手を出すより先に倒れてしまう
- 倒れ方も受け身にならず、ケガが重くなる
これは、筋力や神経伝達の低下による「反応速度の遅れ」が影響しています。
5|これらの変化は複合的に現れる
加齢による変化は、単独で起きるのではなく複合的に絡み合って転倒リスクを高めます。
たとえば、
「筋力の低下+バランス感覚の低下」
→ 小さな段差でもバランスを崩す
「関節の硬さ+反応の遅れ」
→ 転びそうになっても踏ん張れず、大きなケガにつながる
こうした複数の要因を想定して予防することが、転倒対策の第一歩となります。
まとめ|“なんとなくの衰え”が転倒のサインかも
日々の動作の中で感じる「ちょっとした違和感」は、体からのサインかもしれません。
- 踏ん張れない
- よろける
- 手すりを使う回数が増えた
そんな変化を見逃さず、体を整えること・工夫することが、これからの転倒予防につながります。
コメント