私は作業療法士として15年間、病院や外来リハビリで高齢者の転倒予防や生活環境の相談に関わってきました。
その中でも意外と多いのが、
「賃貸だから手すりを付けられない」
という悩みです。
実際には工事をしなくても安全性を高められる方法があります。
この記事では、賃貸住宅の外階段でできる転倒対策について解説します。
「階段が怖い…でも賃貸だから何もできない」そんな悩みに
高齢の親世代が、古い賃貸アパートや団地に一人で住んでいるケースは少なくありません。
中には2階に住んでいて、毎日の階段の昇り降りがだんだん不安になってきたという声も。
でも、
「賃貸だから手すりは付けられない」
「勝手に工事なんてできないし…」
そう思って、何も対策せずに過ごしている方が多いのも事実です。
実際に、階段での転倒は
骨折や入院につながるケースも少なくありません。
特に外階段は、
雨や砂で滑りやすくなるため
「いつも通り」が通用しないこともあります。
病院勤務時代やディサービスで関わった方の中には、
「階段が怖いから外に出ない」
「誰かが一緒じゃないと買い物に行けない」
という方が少なくありませんでした。
実際には歩く力が十分残っている方でも、手すりのない外階段が心理的なハードルとなり、外出する機会そのものが減ってしまうことがあります。
外出機会が減ると、さらに筋力や体力が低下し、ますます階段が不安になるという悪循環につながることもあります。

実は“工事なし”でできる階段の安全対策があります
最近では、工具不要・工事不要で設置できる階段用の手すりが登場しています。
多くの製品は「置き型」や「据え置きタイプ」で、重さや摩擦で安定する構造になっており、退去時の原状回復にも配慮されています。
✅ こういったケースでよく使われています
- 築40年の団地で一人暮らしをしている80代女性が、2階への階段に置き型手すりを設置
- 高齢者住宅ではなく、古いアパートを借りている方が、安全のために簡易手すりを活用
- 「滑り止めマット+手すり」の組み合わせで足元の安定感をアップ
例えばこんな場面で役立ちます
・買い物帰りで荷物を持っているとき
・雨の日で階段が滑りやすいとき
・朝や夕方で足元が見えづらいとき
「ちょっと支えがあるだけ」で、
安心感は大きく変わります。
こんなサインが出たら、対策を始めるタイミングです
こんな行動や言葉が出てきたら、手すり設置を考えるサインです:
- 階段を上り下りする時に、壁や柱に手をついている
- 「最近、外に出るのがおっくうになった」と言う
- 段差でつまづく、よろける場面が増えた
- 階段の昇り降りが大変そう
本人が気づかない・言い出さないことが多いため、周囲が小さな変化に気づくことが大切です。
高齢者が使いやすい手すりの選び方
- 自立式・据え置きタイプ
→ 床に置くだけで使えるタイプ。工事がいらず、持ち運びも可能 - 段差に合わせた高さ調整ができるもの
→ 1段の昇降だけでなく、複数段でも対応可能な製品がおすすめ - 滑り止め付きの安定感のあるもの
→ 設置するだけでズレない仕様。ゴム脚や重しがついていると安心
例えば、こういった「置くだけタイプ」の手すりがあります👇
・工具不要でそのまま設置できる
・重さと滑り止めでしっかり固定
・賃貸でも原状回復OK
家族ができるサポートとは?
「うちの親は階段が危ないのに、本人は“まだ大丈夫”って言って聞かない…」
そんなときは、「工事はいらないから、ちょっと置くだけだよ」と優しく声をかけてみてください。
✔ 大家さんへの許可を取る際のサポート
✔ 手すりの設置を一緒に行う
✔ 一時的にレンタルして使ってみるのも◎
持ち家の方・大家さんに相談できる方は「工事する」選択肢も
置き型手すりは手軽ですが、毎日使う場所なら固定式の方が安定性は上です。持ち家の方や、大家さんに許可が取れそうな方は、一度工事見積もりを取って費用感を知っておくと判断しやすくなります。
要介護・要支援認定があれば住宅改修費の補助(上限20万円)も使えます。
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まとめ|賃貸でも、できることはあります
高齢者の方が住む古い団地やアパート。
そこには、“今さら環境を変えるのは大変”という心理的なハードルがあります。
でも、「ちょっと置くだけ」の対策で、転倒を防ぎ、安心を届けることは可能です。
手すりは、大きな工事が必要なものばかりではありません。
大切なのは、使う人が「怖くない」と感じられる環境づくり。
賃貸でも、できる工夫から始めてみましょう。
この記事は「高齢者の住まいの安全ガイド」の一部としてご紹介しています。住まい全体/足元全体の見直し方を知りたい方は、柱記事もあわせてご覧ください。


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