はじめに|靴が原因で転倒することもある?
「ちょっと玄関の靴が多すぎて、歩きにくいな…」
そんな風に感じたことはありませんか?
実際にリハビリや訪問介護の現場でも、「靴をまたごうとしてつまずいた」「無理に靴を取ろうとしてバランスを崩した」など、靴の置き方が原因で邪魔そうにしているケースは少なくありません。
靴が増えるのは自然なこと
高齢者世帯では、こんな種類の靴が増えがちです。
- 雨の日用の滑りにくい靴
- お出かけ用のきれいな靴
- 普段使いのスリッポン
- 室内からそのまま出られるサンダル
- 通院・散歩用のスニーカー
- 季節ごとの履き分け
しかも、片づけるのが体力的にもおっくうになりがち。その結果、立派な靴箱があっても使われず、玄関に並べたままになっていることが多いのです。
靴が散らかることで起こるリスク
- 靴につまずく・滑る
- 靴を取るために前かがみになってふらつく
- 片足立ちで履こうとしてバランスを崩す
- 通り道が狭くなって杖や手すりが使えない
つまり、ちょっとした日常の動作が危険になりやすい環境になっているのです。
どう改善する?|整理と収納の工夫
まずは「使う靴」と「使わない靴」を分けることが大切です。
季節外の靴や、サイズが合わなくなった靴などは思い切って別の場所に移動する or 処分することも安全への一歩です。その上で、すぐ履く靴は“立ったまま出し入れしやすい位置”に置くようにしましょう。
✔ おすすめの改善グッズ
✅ 省スペース型のシューズラック(縦型)
→ 見やすく取り出しやすい。コンパクト設計のものが◎。収納力も高め。
✅ 玄関ベンチ付き収納
→ 座って履ける+中に靴やスリッパをしまえる。立ち座り用の手すりあり。
✅ 取り出しやすいスリッパ収納ラック
→ サンダルや来客用の仮置きに便利
危ないのは「靴の向きを変える」一瞬です
散らかった玄関でいちばん転びやすいのは、靴を履く瞬間ではありません。脱いだ靴の向きを変えるときです。
- しゃがんで靴をつかみ、向きを変えようとする
- かがむのがつらいので、足でぐりぐり回そうとする
- その間、つかまるものがないまま片足立ちになっている
この3つが一度に起きています。だから「脱ぐときに、次に履く向きで置く」だけで、危ない動作が1つ丸ごと消えます。
ご本人に習慣づけてもらうのが難しければ、家族や訪問した人が自分の靴の向きをそろえるところから始めてください。玄関がそういう場所になると、あとから履く人も自然にそうします。
「捨てられない」を無理に説得しないでください
靴が減らない理由は、片付けが苦手だからではありません。
- まだ履けるのに、もったいない
- 思い出があるから手放したくない
- 高かった靴だから
どれも、言われてみればもっともな理由です。ここを正面から説得しようとすると、玄関の話が親子げんかになります。
捨てなくて大丈夫です。「分ける」だけで安全になります。
| 靴の種類 | 置き場所 |
|---|---|
| 毎日履く2〜3足 | かがまず手が届く高さに |
| たまに履く靴 | 箱に入れて別の部屋へ |
| もう履かないが手放せない靴 | 「思い出ぶん」としてまとめて別保管 |
| かかとがすり減った靴・サイズが合わない靴 | ここだけは処分を相談する |
実際に毎日履いているのは2〜3足です。その2〜3足が取りやすい位置にあれば、玄関は安全になります。残りは別の場所にあればいい、という考え方にすると、話が進みやすくなります。
ただしかかとがすり減った靴だけは別です。靴底の外側だけが削れていると、立っているだけで体が外に倒れます。これは安全の話なので、ここだけは残さないほうがいいとお伝えしてください。
家族のためにも、安全な玄関を
靴の整理はつい後回しになりがちですが、転倒防止の第一歩でもあります。
「何をどこに置くか」を見直すだけで、玄関の安全性と快適さがグッと高まります。
もしおじいちゃん・おばあちゃんの玄関が靴でいっぱいになっていたら、
「よく使う靴だけを残して、取りやすい場所に置いておこうか?」と声をかけてみてください。
家族の思いやりが、そのまま安全な環境につながっていきます。
この記事は「高齢者の足元を整えるガイド」の一部としてご紹介しています。住まい全体/足元全体の見直し方を知りたい方は、柱記事もあわせてご覧ください。


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