賃貸でもここまでできる|工事なしのバリアフリー化を場所別に作業療法士が解説

「賃貸だから、手すりも付けられないし何もできない」——そう諦めている方へ。賃貸の安全対策は「置く・貼る・突っ張る」の3手法でほぼカバーできます。壁に穴を開けず、退去時の原状回復も問題ありません。

目次

「賃貸だから何もできない」は誤解です

病院で住環境の相談を受けると、賃貸の方ほど対策が手つかずでした。「工事できない=対策できない」と思い込んでいるためです。実際には、工事が必要な対策のほうが少数派。介護用品の多くは、賃貸で使うことを前提に「置くだけ」「貼るだけ」で設計されています。

工事なしでできる3つの手法

  • 置く:置き型手すり・踏み台・立ち上がり補助スタンド。重さで安定させるので固定不要
  • 貼る:滑り止めテープ・蓄光テープ・吸盤式の浴室手すり。はがせるタイプを選べば原状回復もOK
  • 突っ張る:床と天井で固定する縦型手すり。ネジを使わないため壁を傷めません

場所別|優先度の高い順に対策

1. 玄関(優先度:最高)

上がり框(かまち)の段差は、家の中で最も高い段差です。置き型手すりを框の横に置くだけで、昇り降りの安定感が変わります。靴の脱ぎ履き用に椅子を1脚置くのも効果的です。

2. 浴室・脱衣所

浴室内は滑り止めマット、浴槽のふちには工具不要で挟んで固定するバスグリップ。脱衣所には椅子を置いて、片足立ちで着替えない環境を作ります。

3. 廊下・寝室

夜のトイレ動線に、貼るだけの人感センサーライトを。マットを使うなら裏に滑り止めシートを敷きます。詳しくは玄関での転倒を防ぐには?滑りやすい場所での転倒対策もどうぞ。

4. 外階段・共用部

アパートの外階段は共用部のため勝手に手を加えられませんが、打てる手はあります。

賃貸の階段に手すりが欲しい|置き型という選択肢で詳しく解説しています。

大家さんに相談すれば工事できることもあります

意外に知られていませんが、手すりの設置は物件の価値を下げないため、相談すると承諾してもらえるケースがあります。伝え方のコツは「原状回復について書面で確認したい」と最初に言うこと。大家さんの不安を先回りして消せます。要介護認定があれば、承諾を得たうえで介護保険の住宅改修(自己負担1〜3割)を使うこともできます。

承諾が取れて工事を考え始めたら、まず複数社の無料見積もりで相場を知るのが失敗しない順番です。

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よくある質問

Q. 突っ張り式の手すりで天井が抜けませんか?

天井の下地(梁)がある位置に立てるのが原則です。石膏ボードだけの場所には補強プレートを使います。位置の判断が不安な場合は、介護保険のレンタルにすると事業者が設置場所を見て取り付けてくれるので、実は一番安全です。

Q. 退去時に費用を請求されませんか?

「置く」「突っ張る」は跡が残らないので原則問題ありません。「貼る」ものは、はがせるタイプを選んでください。心配なら設置前に写真を撮っておくと、退去時の話し合いで役立ちます。

Q. 賃貸でも介護保険の福祉用具レンタルは使えますか?

使えます。据置式・突っ張り式の手すりは工事をしないため、大家さんの承諾も原則不要です。要支援の認定から利用でき、月数百円程度。認定がある方は、購入前にケアマネジャーへ相談してください。

まとめ|「置く・貼る・突っ張る」で今日から始められます

  • 賃貸でも対策の8割は工事なしでできる
  • 優先度は玄関→浴室→夜の動線の順
  • 本格的な手すりが必要なら、大家さんへの相談+介護保険という道もある
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